PTEアカデミック(以下PTE)とは英語検定試験の一つです。他の検定試験としてはIELTSやTOEFLが有名ですね。
PTEはTOEFLと同様にコンピューターベースの試験です。2009年開始と歴史が浅いですが、近年受け入れ教育機関が増加傾向にあり、注目が集まっています。例えばオーストラリアでは、ほぼすべての教育機関でPTEのスコアを英語能力証明として使用できます。またオーストラリアでは永住権の英語能力ポイントしてPTEのスコアを提出できます。現在オーストラリアではIELTSを凌ぐ人気の英語試験になりつつあり、2017年10月現在予約を取るのに1ヶ月以上待つのが常になっています。
ここで簡単にPTEの特徴を。
Contents
メリットとデメリット
メリット
-対策法が分かれば点が上がりやすい
-他の英語試験と比べ採点が厳しくない
-都合の良い日時に受験可能
-試験結果をほとんどの場合24時間~5日以内に確認可能
-前日予約可能
デメリット
-テストに合わせた対策が必要 ー 素の英語能力が高くても良いスコアが取れるとは限らない
-新しいテストなので、他の英語試験と比べ特に日本語ベースの情報が少ない
-IELTSと比べ情報が少ない 特に日本語 対策コースがほとんど存在しない
-受験会場が少ない – 現在日本では東京と大阪の2ヵ所のみ
-受け入れ機関が比較的少ない – 新しい検定なのでTOEFLやIELTSに比べると受け入れ機関が少ないです。そのため希望の志望校が受け入れてくれるかの確認が必要です。
なぜPTEか。IELTSとの比較
ここではPTEとIELTSの試験比較を行います。
まずおおまかな違いから。
PTE
スコアは10~90点
コンピューターベースの試験
Writing Speaking含めすべてコンピュータープログラムによりスコア算出
Speakingはマイクに向かって話す
IELTS
スコアは1.0~9.0点
紙ベースの試験
Writing SpeakingはExaminerによりスコア算出
Speakingは直接面接官と話す
スコア換算表 (豪永住権申請時)
オーストラリアの永住権申請時のスコア表になります。
習熟度レベル | PTE | IELTS |
Functional | 4.5 | 30 |
Vocational | 5 | 36 |
Competent | 6 | 50 |
Proficient | 7 | 65 |
Superior | 8 | 79 |
こちらはピアソン社が提供しているスコア表です。
参照元
試験難易度比較
どちらの試験が簡単か?これは場合によります。
私の場合、IELTSは合計10回受験し最高スコアは
Listening 8.0
Reading 7.5
Writing 7.5
Speaking 6.0
Overall 7.5
でした。
一方でPTEは合計3回受験し、最終的なスコアは
Listening 79 (IELTS 8.0相当)
Reading 85 (IELTS 8.5相当)
Speaking 85 (IELTS 8.5相当)
Writing 90 (IELTS 9.0相当)
Overall 86 (IELTS 9.0相当)
となりました。
スコア推移は以下の通りです。(カッコ内はIELTS換算時スコア)
Overall | Listening | Reading | Speaking | Writing | |
1回目 | 69 (7.0) | 66 (7.0) | 70 (7.0) | 73 (7.0) | 73 (7.0) |
2回目 | 76 (7.5) | 74 (7.0) | 76 (7.0) | 72 (7.0) | 80 (8.0) |
3回目 | 86 (9.0) | 79 (8.0) | 85 (8.5) | 85 (8.5) | 90 (9.0) |
試験ごとに成績が上がっているのがわかります。なぜならIELTSと比べ試験対策を立てやすいため、時間をかければスコアは順調に上がります。
PTE IELTS セクション別難易度比較
セクション別比較
セクション別の難易度比較を紹介します。
セクション | PTE | IELTS |
Listening | 普通 | 普通 |
Reading | やや難しい | 普通 |
Speaking | やや簡単 | 難しい |
Writing | 簡単 | 難しい |
Listening
質問形式はIELTSと大きく異なるものの、試験自体の難易度はそれほど変わりません。ただ、要約問題であるSummarize Spoken TextはIELTSにはないタイプの問題です。問題に慣れコンスタントに高得点を取るために対策は不可欠です。
Reading
IELTSよりやや難しいです。特に穴埋め問題のFill in the Blanksはわからない単語ばかりで混乱してしまうことも・・・しかし満点を取る必要はありませんので、自分が溶ける問題を確実に問いていけば大丈夫です。そしてセクション自体の難易度からか、採点自体も寛容?である印象を受けました。
Speaking
問題タイプがIELTSと全く異なります。IELTSは自分の意見や経験を答えていくのに対し、PTEアカデミックのスピーキングは基本的に自分の意見を求められることはありません。どちらの試験も受けたものとしては、単純比較はできませんが全体的にIELTS Speakingよりやや簡単だった印象を受けました。
Writing
IELTSと同様、PTEアカデミックのライティングではエッセイ問題があります。テンプレートを使用できるためIELTS Writingと比べて取り組みやすいです。しかし紙ではなくコンピューターに解答を打ち込むため、タイプミスに気をつける必要があります。またIELTSではエッセイ問題に40分程度費やせるのに対しPTEエッセイは20分しか与えられません。練習必須です。
サンプルテストを受けてみよう
IELTS7.0取れないで苦しんでいる方はPTEのサンプルテスト受けてみてはどうですか。
PTEアカデミックには公式のサンプルテストがあります。60アメリカドルを出すことで二回のオンライン模擬試験を受けることができます。この試験を受けることで実際の試験に慣れることができま、60ドルで2回分の試験を受けると思えば安いものです。
IELTS6.0とれていればIELTS7.0相当(PTE65)のスコアはコツを掴んで練習を重ねれば十分可能です。
このサンプルテストを通して実際の試験に慣れることが重要です。サンプルテストは実際の試験より難しく設計されているため、実際の試験では高い点数を期待できます。理由としては、サンプルテストを通してPTEの試験形式に慣れる、そしてサンプルテスト自体が難しいためです。
そのためこのPTEのサンプルテストで50/90取れていれば本番の試験で55~60点程度取ることは現実的です。65点あればIELTS7.0相当のスコアになります。
私の知り合いでサンプルテストで40点台をとった人が実際の試験で70点を取りました。一人や二人じゃありません。この方はIELTSで目標のスコア取れずに悩んでいました。その後PTEのサンプルテストを受けて1回の試験を受けただけでIELTS7.5相当のスコアを手に入れて希望の大学に入学することができました。そのため、IELTS5.5さえ取れていればIELTS7.0程度のスコアをPTEでとるのはとても現実的です。
英語の能力試験はただの試験です。対策を取れば取るほど成績は上がります。ただIELTSは基本的に難しくPTEの試験は非常に対策がしやすい、ただそれだけです。どちらの試験が良い悪いと言うのはありません、それはただのそれぞれの英語の試験の性質です。
ただ全体的にPTEの方が対策がしやすくスコアは上がりやすい傾向にあります。もし時間がなく早く留学をしなければいけないと言う場合にはPTEはすごく有効です。
注意点としては希望の教育機関がPTEを受け入れているかどうかを確認することが必要です。
英語マニアのような方にはPTEはとても物足りなく感じると思います。私のようにそもそもあまり英語に興味がないような人にとってはPTEはとても手っ取り早く希望のスコアまた少ない労力で得点することが可能です。PTEのスコアは通常5日以内にオンラインで成績を確認することができます。これはIELTSの2週間と比べても非常に速い。時間がない時にとても役立ちます。そのような方にとってはPTEをお勧めします。
IELTSでくすぶっているようなら、PTEのサンプルテストを受けてみて希望のスコアが取れるかどうか試してみてはどうでしょう。
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